あれよあれよという間に2020年も終わりですね。この一年本当にいろんなことがありました。皆さんはどのような年になりましたか?
僕は2020年も『からかい上手の高木さん』の年でした!!
さて、前置きはさっさと済ませて、今回も2020年12月12日発売のゲッサン1月号掲載、『からかい上手の高木さん』の感想を綴っていきます!
※大幅にネタバレしてるのでまだ読んでいない方はバックでお願いします!!
さてさて! 早いもので今年最後の高木さん本誌ですね。
今月号は安心安定の2本掲載でした!
最近は『それでも歩は寄せてくる』の連載が忙しく、1本掲載が多かったので2本掲載はテンションが上がります!
サブタイトルは「力の使い方」と「微熱」。
そしてこの2本。謀ったかのように西片くんの攻めの行動と、高木さんの攻めの行動が描かれており、尊さマシマシニヤきゅんマシマシの構成となっております!
しかしこの2本。僕は攻めの行動ではなくお互いに相手を“守る”ための行動だと思っています。
その辺は後述しますね。
ではまずは「力の使い方」から!
『力の使い方』の感想
サブタイトルがすっごい厨二病チックですよね。本編でも西片くんが厨二病っぽい言葉を話す場面がちょこっとあります。そして自爆します。ホント西片くんの子供っぽいところ、好き。
扉絵からすでに可愛い高木さん!
「ん」って感じで西片くんに向けて両手を伸ばす姿、可愛すぎでしょ! 誰もが高木さんが西片に何を求めているか、即座に判断できます。
そりゃー西片くんも照れるよ! どう考えても彼氏への要望じゃん!!笑
それでは本編から語っていきましょう!
西片くんの高木さんのからかいに打ち勝つ為に(高木さんにからかわれた結果)鍛え抜かれた肉体は、ついにヘビージャイアント・木村を宙にまで……! 木村を抱きかかえられるほどに成長していました! ってか西片くんの身長で木村持ち上げられるの結構えげつないよね。どれだけ高木さんにからかわれてるんだよ! って感じです笑
西片くんのパワーに圧倒される高尾や浜口。クラスの男子に持ち上げられた西片くんは言われるがまま掃除ロッカーを軽々持ち上げ……たかと思いきや、ロッカーの角が窓を直撃。
そしてアルカリプティックサウンド。
窓を割ってしまった西片くんはバツとしていつもどおり? 放課後の居残り掃除を命じられてしまいました。ってか学校の窓割って掃除で済むなら全然いいよね? 下手したら停学モノだよね? そこは田辺先生が情状酌量の余地有りと判断したんでしょうか笑
とはいえ一人準備室の掃除に勤しむ西片くん。“力の使い方を間違ってしまった……”と自称かっこいいセリフを呟いているところ、満を持して高木さんの登場です。西片くんを探しにこんなところまでやってくる高木さん。
先ほどのかっこいいセリフを堂々と高木さんにぶつけます。 そう、「力の使い方」を間違ってしまったようです。そしてあっさりと流されてしまい自爆してしまう西片くん。かわいい。
高木さんが西片くんを求めやってきた理由はただ一つ。“からかいに”と。さすが高木さんぶれない。
ここで西片は高木さんに勝負をもちかけます。
今日の勝負
勝負の内容は『この部屋にある高木さんが指定したものを西片くんが持ち上げられるかどうか』。高木さんはその勝負をあっさりと引き受けます。高木さん、一瞬で閃いたんでしょうね。天才すぎ。
そんなこととは露知らず西片くんは自信満々。部屋にあるものだったらどんなものでも持ち上げられる自信があったんでしょうね……。かわいそうに……笑
そして高木さんは笑顔で指をさします。
“じゃあ、私で”
と。
固まる西片くん。そりゃーそうですよ! だって高木さんを持ち上げる、ということは高木さんに抱きつく。ということですから!
ニヤニヤする高木さんと一気に赤面する西片くん。これぞからかい上手の高木さん!
西片くんも考えが足りなかったことを悔やみつつ、力を得たと油断した自分を呪います。歯を食いしばりながら案を模索する西片くん。そして名案を閃き、実行します!
そう! 高木さんを持ち上げます!!
精神的に!!
高木さんのことを褒めちぎる西片くん。所謂ヨイショで高木さんを持ち上げます!
しかし一生懸命持ち上げる西片くんを他所に高木さんはクールに一蹴。以前の『うちわ』回では高木さんの言葉遊びの勝利だったのですが、今回西片くんの策は通用しませんでした。高木さんの言うこと。絶対。
ここで西片くんの脳内高木さん抱っこが描かれてるのですが、ここメッチャいいですよねぇ……。
是非とも抱っこしてほしい。メチャクチャ抱っこしてほしい……。高木さんの手がフニフニってことは、高木さんの身体も柔らかいんだろうなぁ……。高木さんのこと抱っこするとかもう西片くんやばいだろうなぁ……。
さて妄想は置いといて、敗北を確信する西片くん。そりゃそうだよね。頬を紅潮させる西片くんを見て高木さんは余裕の表情。近くにあった棚に背を預けます。
そのときでした。
正しい『力の使い方』
高木さんがもたれた棚。その上に置かれたダンボール箱がぐらつきます。
まるで高木さんの後頭部を狙うかのごとく不穏にぐらつくダンボール箱。
その存在に気づかない高木さん。そしてその存在に気づいた西片くん。
彼は一瞬で脳に命令を出します。
いや、もしかしたら本能的な行動だったのかもしれません。
高木さんを助けなければ、と。
駆ける西片。見開かれる高木さんの瞳。
西片の視線の先にはダンボール箱。そして高木さんの視線の先には……。
どうやらぐらついていた箱は落ち着きを取り戻し、落下することはありませんでした。
これには西片くんも一安心。安堵したことでしょう。
そして間近で聞こえる高木さんの“西片?”という少し戸惑いを含んだ(かもしれない)声。西片の答えに“そっか”と呟く高木さん。
ここマジでやばくないですか? 高木さんの表情かわいすぎない? ってか高木さんのほっぺたが全てを物語ってますよね!
そして我に返る西片くん。そう。咄嗟に身体が動いた西片くん。結果、高木さんを庇うかのように軽く抱きついていました。
再び顔を真っ赤にする西片くん。バッと背を向けて高木さんに抱きついてしまったことを謝ります。
しかし高木さんはというとどこ吹く風。飄々と“あのまま持ち上げてたら西片の勝ちだったのにね”とクスクス笑います。
西片くんも負けを覚悟します。そしてこのあと訪れるであろう高木さんのからかいも。
さすが高木さん。こんな不測の事態でも平然と言ってのけるとは。高木さんのことはちょっとやそっとじゃからかえな……。
そして、高木さんは一言。
“引き分けにしよっか”
高木さんの予想外の言葉に驚く西片くん。背面のままの西片くんには高木さんの表情はわかりません。いや、わかるはずもありません。ここで高木さんに正対したら何かが変わったのかもしれませんが、そんな無粋なことはしません。
最後のページ。読者だけが知っている高木さんの表情。そこに高木さんの感情の全てが表されていることでしょう。西片への想いと共に。
力の使い方。西片はちゃんと力を得ていました。
高木さんを守る力を。
『微熱』の感想
さて、今回2本目は『微熱』です。
扉絵からして距離の近い高木さん。真正面からニヤリと西片くんを覗き込む姿から、もうからかいの匂いがしますね。
物語は西片くんの家から始まります。手に持った体温計が映し出した数字は37.2℃。
さっそくサブタイトルの『微熱』回収です。
このコロナ禍では休むことも検討すべき数値ですが、高木さんの世界にそんなウイルスは存在しません! ってことで元気な学生だったら普通に学校行きますよね。僕は休んでましたけど笑
ということで通学路を行く西片くん。するといつも通り登校中の高木さんと遭遇します。いつも通り挨拶しようとする西片くんですが思い留まります。そして心の中で高木さんに勝負を挑みます。
“熱があるのを高木さんにバレずにすごせたら勝ち”と。
勝利のために意気揚々と元気よく挨拶する西片くん。
“おはよう!!”と。
そんな元気「すぎる」様に高木さんもキョトン。いつもより元気な西片くんをほんのちょっと不審に思う高木さん。
とりあえず気を取り直して登校を再開します。
いつもとちょっと違う素振りを見せたらすぐに高木さんに気づかれることを悟った西片くんは、あくまでもフツーを装います。フツーに。フツーにと。
しかしその後も歩幅が違ったりとなかなかフツーを演じることができません。意識すれば意識するほどフツーは保てなくなるものです。そう、きっと何事も。
高木さんにフツーを意識づけたい西片くんはここでフツーを提示することにしました。
いつも通りのフツーの勝負を。
そう。勝負をするのが西片くんと高木さんの日常。これこそが彼らのフツーなのです。
が! 思いつきで勝負を挑んでしまったため肝心な勝負の内容はまったく考えていませんでした。焦る西片くん。そんな西片くんを知ってか知らずか、高木さんが提案します。
“私が勝負の内容決めていい?”
おでこ
西片くんと高木さん。二人は勝負をするためにいつもの神社に向かいます。ここなら誰も来ませんね。二人だけの空間です。
ほんのりと頬を赤くする西片くんに高木さんは勝負の内容を告げます。
“熱あったら負けって勝負”
高木さんはしっかりと見抜いていました。西片くんに熱があることを。
バレバレながらもシラを切る西片くん。しかし高木さんはその回答すらも予知済みだったみたいです。まるで小さな子供を諭すお母さんかの如く、負けたら家に帰るよう促します。
しかししかし西片くんもすぐには頷きません。当然体温計はこの場には無く、勝ち負けを決める方法も――。
と、そのとき。
不意に繋がるおでことおでこ。
西片の眼前には高木さんの瞳が、高木さんの眼前には西片の瞳が視界いっぱいに広がります。
二人の距離はゼロセンチメートル。
昔から熱を計る方法と言えば額に手を当てるのが定番ですが! ですが!!
おでことおでこ!! 高木さんの!!! おでこ!!!!!
こんなのアリなんですか!? いや、これもう犯罪じゃないですか!? 未成年がこんなことしていいんですか!?
高木さんの! おでこ!!! ですよ!????
高木さんと西片くんのおでこが一つになり、咄嗟のことに驚きを隠せない西片くん。熱に浮かれていた赤い頬が更に赤みを増します。突然のことに身体を引く西片くん。尚も顔を近づけたままの高木さん。
またも高木さんは平然と言い放ちます。
“やっぱり。西片の負けだね”
西片くんの熱はしっかりと高木さんに伝わったみたいです。
しかし休みたくない西片くんは尚も意地を張って、「家に帰るほどの熱じゃない」と言い張ります。終いには高木さんの体温が低かったんじゃないかと言い出す始末。
しかし高木さんはこれを余裕の表情で切り返しました。
いや、余裕は無かったのかもしれません。
なぜなら――高木さんも照れてカオが熱くなっていたから。
その後高木さんと別れた西片くんは大人しく帰路につくことになるのですが。そのとき西片くんは最後にこう独り言を呟いて話が終わります。
“うん……きっとウソだ”と。
高木さんは西片にはウソつかないよー!!
西片めー!! 羨ましいぞー!!笑
今回の話えげつなくない!? え!? マジでいいの!? これ一線越えてるよね!? おでことおでこだよ!? 作者の山本崇一朗先生がどれだけおでこ好きなのか知ってる!? おでこフリークか知ってる!? 今回の高木さん攻め過ぎでしょ!? 高木さんメチャクチャ勇気いったと思うよ!? いつもは最後の一歩が踏み出せないのを気にしていた高木さんが、まさしく自ら一歩踏み込んで西片の元に向かっていった様とかマジ心中察するよ!? 高木さんかわいすぎない!? 尊すぎない!? マジえげつなくない!?
自ら照れていることを公言した高木さん。これって作中ではもしかして初めて? 『エイプリルフール』回で西片くんが高木さんに照れていることをカミングアウトしたことはあったけれど、そのときも高木さんは自らのことには言及せず、顔を染めるに留めていたと思います。
そんな高木さんが自ら西片に自らの照れを正面から伝えました。
照れたら負けの青春からかいコメディー。
それが『からかい上手の高木さん』。
だとすると、この話は大きな意味があるのではないかと勘ぐってしまいます。
西片に高木さんの「からかい」が伝わる日。それはもしかするとそう遠くないのかもしれません。
今回、1本目の『力の使い方』は偶然にも西片が攻めるカタチになり、高木さんにクリティカルを与えた回であることは間違いありません。そして2本目の『微熱』。こちらは高木さんが勇気を出して一歩踏み込んだ高木さんが攻める話でした。
しかしながら、今回の2本。僕は二人が攻めるというよりも、二人がお互いを「守る」話だと言いたいです。
高木さんを落下物の危機から救った西片くん。
西片くんを体調悪化から救った高木さん。
後者は少し強引な言い回しかもしれませんが、2本ともお互いのことを想っての行動であることは間違いありません。
そしてとくに2本目は個人的に、高木さんが一線を越えたとてつもない回だと思いました。
以前あった『グリコ』も明記はされていませんが、もしかすると高木さんが一線を越えたとんでもない回だと思っています。
今回、マジで神回の中の神回でした!
山本先生ありがとうございます!!!
さいごに
さて、いかがでしたでしょうか?
乱雑ながら今回のゲッサン『からかい上手の高木さん』の感想とさせていただきます。
メタメタに尊い話が2本も! これだから高木さんはやめられません!笑
ツイッターで告知もありましたが、待望の『からかい上手の高木さん』15巻は2021年の2月12日発売予定だそうです!
あと2ヶ月、首をながーーーくして待ちましょう!
byスージー
引用元:©山本崇一朗・小学館2020
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